クフナ・ウルゲンチ歴史公園
ユネスコ世界遺産に登録されているクフナ・ウルゲンチは、アムダリヤ川沿岸にあり、シルクロードにおける重要な交通のハブ拠点として繁栄し、チンギス・カンの軍に破壊されるまでホラズム帝国(12世紀)の首都でした。
いくつかの霊廟と城塞の遺構、中央アジアで最も高いミナレット、キルク・モラの巡礼の丘などが、ビルーニやイブン・スィーナ、アル-ファーラービ、アル-ホラズミなどの歴史的偉人に称賛されたこの歴史ある町が果たしてきた役割を今に伝えています。
クフナ・ウルゲンチ - クトルグ・ティムールのミナレット
800年に建築が始まり1320年に完成したこのミナレットはキルク・モラの南東に位置しています。中央アジアで最も高いこのミナレットはブハラのカルヤン・ミナレットよりも15 mも高いものです。
ミナレットの上部は西に1.5 m傾いています。現在ミナレットの高さは64 mあり、クフナ・ウルゲンチのモンゴル人総督、ジョチ・ウルス朝の強力な首長であったクトルグ・ティムールにちなんで名づけられました。
クフナ・ウルゲンチ - イル・アルスラン廟
クフナ・ウルゲンチにある最古の霊廟はホラズム王イル・アルスランの霊廟です。その最も顕著な特徴はホラズム朝の円錐型ドームです。
正面のファッサードには控え目な門があります。しかし正面入口の上にある3つの独立したニッチにはテラコッタ漆喰で花柄デザインの美しい装飾が施されています。イル・アルスランは1156年から1172年までホラズム朝の首長でした。
クフナ・ウルゲンチ - テキシュ廟
隣にある霊廟は1172年から1200年までのホラズム朝の首長、スルタン・テキシュの霊廟です。
この霊廟建築の特徴は、青いタイルで装飾された円錐型のドームと比較的高く複雑な装飾をもつ、鍾乳石のデザインの門です。霊廟は正方形のベースに、長さ11.5 mの壁で囲まれています。
クフナ・ウルゲンチ-テュラベク・ハヌム廟
テュラベク・ハヌムの壮大な霊廟はクトルグ・ティムール・ミナレットの近くに位置しています。彼女はジョチ・ウルス国全盛期の支配者ウズベク・ハーンの娘でした。
二重のドームを持つ建物は1370年に作られ、今もなお美しい姿を維持しています。
鍾乳石マジョリカの印象的なインテリアは門のアーチと玄関ホールの天井を装飾するために使われています。
クフナ・ウルゲンチ-ナジミディン・グブラとスルタン・アリ廟
ナジメディン・クブラ廟(1320-30建築)
美しいアクアマリン色のマジョルカ装飾の門を持つこの霊廟は、著名なスーフィー教指導者でクブラ会の創設者であるナジミディン・グブラ(1145-1221)の墓所です。
その反対側にあるのがホラズム朝の王、スルタン・アリの霊廟で、そのデザインからテュラベク・ハヌム廟の模倣と考えられていますが、それより2世紀早く建てられたものです。
クフナ・ウルゲンチ-キルク・モラ、城塞と巡礼の丘
城の北側の要塞の遺跡(紀元前6世紀?‐紀元3世紀)はテキシュ廟の向かい側にあります。通常この城砦はキルク・モラ(40人の師)と呼ばれています。
この城跡はクフナ・ウルゲンチで最も古い遺跡で、ここで発見された最も早い時代の陶器は紀元前5世紀のものと言われています。城塞の残りの部分を覆う丘はこの地の本来巡礼者たちが祈りの儀式をする場所でしたが、後に共同墓地になりました。
クフナ・ウルゲンチ - キャラバンサライのゲート
この使用目的不明の建物(14世紀?)の門は、ダッシュ・ガラの領土に残された数少ない記念物の一つです。一般にはキャラバンサライ(キャラバン隊の宿)の入り口だったと言われています。
門のくぼみには、花柄と幾何学的模様の青・白色のマジョルカの美しい装飾があります。アーチの外側はレンガをカットした飾りで装飾されています。
イズムクシャー
ユニークな二重壁で建てられたイズムクシャー要塞は、ジョチ・ウルスの統治下、様々なチュルク族の支配者の下で、ホラズムの重要な貿易と手工業の中心として、パルティア時代に繁栄しました。
門や塔、巨大な堀、長さ1500 mもある良く保存されている高さ25 mの壁などが印象的な光景を残しています。要塞の隣には有名な中世の哲学者として伝えられるアブ・アズ・ザマクシャリの霊廟があるため、イズムクシャーはザマクシャーとしても知られています。
ディヤルバクル
ディヤルバクル(紀元前4世紀/紀元3世紀、10-13世紀、16世紀)は古代、中世の都市の遺跡でダショグズの西約90 kmにあります。長方形(200x250m)をしていて、図面では内部火災防止回廊と半楕円形の塔をもつ城壁で囲まれていました。
そこから東700 mの所に、ホラズム帝国時代のキャラバンサライとバザーの跡と思われる興味深い遺跡があります。図面では正方形(200x200 m)で、部屋とイーワーンで囲まれた4つの中庭で構成されていました。ディヤルバクルの大きさはシャーゼネムを
思い出させます。
シャーゼネム
シャーゼネムは都市の遺跡でクフナ・ウルゲンチの北西90 kmに位置しています。多角形の丘で、ほぼ9 mの高地でクシャーナ朝時代にその源を発しています。
中世の要塞都市(aka Suvburun)は矢印形の銃眼と半円形の塔を持つ二重壁で囲まれていました。中心に、ホラズム朝時代の大きなモスクの遺跡があります。町の城壁の外に大きな庭園施設charbag(7世紀-8世紀初頭)があります。
デフケーセン
デフケーセンはクフナ・ウルゲンチから西60 kmの所にあり、ウスチュルト台地の30 mの崖の上にある、波紋状の装飾の壁を持つ土製の城砦です。国境地帯に位置するため現在は見学することはできません。
デフケーセンは大きな長方形(250-220m)で、数多くの塔を持つ石造りの壁で囲まれています。「上部の町」の下に、2つ目の城壁に囲まれた長方形の「下部の町」があります。ジョチ・ウルスの治世下で宗教儀式が形成され、名称不肖の3つの霊廟と煉瓦と石で作られたモスクが今も残っています。